友〜旅立ちの時〜について

「ゆず」について

数多くのゆずの曲から1曲選んで書くとしたら先ずこの曲を選びたい。

この曲は私が4年前ピアノを習い始めた時、最初に練習した思い入れある曲だ。栄光の架橋、桜木町と迷った末、友〜旅立ちの時〜を選んだのは、やはり一番ピアノで弾くのに合ってると思ったからだ。

大サビ、「Wow Wow 遠く遠く〜」のところからの3番がこの曲のハイライト、大サビの後3番に入る間の一瞬間を空けるようにとの先生からのアドバイス。それを採り入れると演奏がずっとぽくなり、ゆずもそれをやっていることが分かった。2、3ヶ月練習して一通り弾けるようになったのが2020年の秋だった。

そしてその約1年後の2021年11月。思いも寄らない連絡が学生時代の親友の親戚の方からあった。なんと、彼は今朝急に倒れ病院に運ばれてその後すぐ急死したというのだ。私はその時出かけていて家へと戻るのに駅で電車を待ってる時で、思わず力が抜けてその場に座り込んでしまった。

その後何とか帰宅。夜別の友人と食事とカラオケに行く予定がありそこに何とか行ったものの、カラオケで歌う曲が浮かんでこない。こんな日に明るいノリノリの曲は歌えないと思っていたところ、ふと思い出したのが「友〜旅立ちの時〜」だった。

歌っていると歌詞がその時の気持ちに近く、大サビ辺りから込み上げてくるものが抑えられなくなった… そして、最後の3番。「友さようなら そしてありがとう 再び会えるその時まで」「友僕たちが 見上げる空は どこまでも続き 輝いてる」「同じ空の下 どこかで僕たちは いつも繋がっている」歌いながら涙が溢れた。

もう二度と会えなくなった友人… 同じ空の下ではないかもしれないが、僕たちはいつも繋がっているという歌詞に気持ちが込み上げた。

この友人は大学入学以来ずっと親しく付き合っていて、彼が仕事で海外赴任した時には遊びに行ったりした。日本に一時帰国した時には飲みやカラオケに行った。そして最後に彼と会ったのが2016年1月。

前の記事で書いたように、私はNHK SONGSを見てゆずが気になり出してる頃だった。その日は夏色、そして締めで友達の詩を一緒に歌った。帰り近くの駅の改札まで彼を見送りに行こうとしたら、「もうここでいいよ、これが今生の分かれというわけでもなし」と言って、駅改札へとつながる階段の手前で分かれた。

まさかそれが最後になるとは思わず、彼が亡くなった日に私が歌ったのが友〜旅立ちの時〜だった。彼は親友とはいえ普段は頻繁に連絡をとるわけではなかった。しかし何か大きく困った事があると、どこからかやってきて力になってくれた。男の友情とは、頻繁に連絡とることではなくいざという時に力になることで、それでいいということを教えてくれたのが彼だった。

そんな彼にもう会えなくなってしまった寂しさ、今までの感謝の思い、再びどこかでひょっこり会えるような気もしてその日まで頑張ろうという励まし、離れていても繋がっているとの絆、それらを一曲に詰め込んだのが友〜旅立ちの時〜だった。

親友が亡くなったのがあまりに突然で、お通夜、お葬式には行けずようやくご家族が落ち着かれてお墓参りに行ったのがちょうどその1年後。ご両親やお姉さん、お兄さん、奥さんにお悔みを言えた。お姉さんは、「こうして来て下さるお友達がいることがせめてもの救い」と言ってくれた。

私にとっては彼がきっかけで出会った方々によくしてもらったおかげで、これまで生きてこられた。もしそうでなかったら、人生が変わっていたと思う。私の良さ、悪さこもごも知った上でバックアップし続けてくれた友に感謝…

友さようなら そしてありがとう 再び会えるその時まで…

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