『Chururi』の意味は?曲の見どころを紹介!|歌詞考察も

楽曲考察

 2024年5月15日に公開された『Chururi』。作詞者である北川さんは、この曲の制作にあたってどのようなところにこだわったのでしょうか。本記事では『Chururi』を聴く際に注目したいポイントを、勝手に紹介します。ポイントに沿って、歌詞の意味も考察していきますので、楽しんでいただけたら幸いです!

詩に使われている漢字

 『Chururi』でサビのメロディーは3回訪れ、特に1回目と3回目は詩にも共通点が多くみられます。しかし、

  • 「想い出したら」と「思い出したら」
  • 「口ずさむ唄」と「口ずさむ歌」

のように、要所で使われる漢字が異なっています。

 1回目のサビ「想い出した」では、まるで心が動き出したかのような、何かの始まりを感じさせます。一方、3回目のサビ「思い出した」は、既に出来事が終わってしまったことを示す言葉となっています。

 次に「唄」と「歌」についてです。

「歌」は一般的に広く用いられている漢字であり、どのようなうたでも「歌」と表現できます。「唄」も歌や詩を意味する言葉として用いられますが、軽い気持ちで何気なく歌う様子を指したり、「唄に詠む」という言葉が、詩や歌に情景や感情を込めることを意味したりもします(https://nippolle.net/article/4288より)

以上を踏まえて、なぜ異なる漢字を用いたのか考察します。

1回目のサビは、

愛する街から 君を想い出したら

会いたい 胸が「あ、痛い」 溢れ出すメロディー

口ずさむ唄 風の五線譜に乗って ”今”を描いてゆく

『Chururi』/ゆず

3回目では、

愛する街から 君を思い出したら

会いたい 胸が「あ、痛い」 溢れ出すメロディー

口ずさむ歌 浮かぶイメージを掴む 忘れないこのときを

『Chururi』/ゆず

 「想い出したら」と「唄」のセットから、1回目のサビでは曲が作られていく様子を表現していると考えました。「”今”を描いてゆく」という詩も、このように考えた理由の一つです。

 対する3回目のサビは「思い出したら」と「歌」がセットであることから、この「歌」は、「君」との思い出の曲など、「君」という存在と強く関連付けられている曲のことを指しているとも考えられます。

 つまり、1回目のサビでは想いを唄に詠む段階であり、未完成品だからこそ「唄」を用い、3回目のサビでは「君」とともに思い出した曲を指すため「歌」を使ったのではないか。と、私はそう考えました。

1番と2番でのAメロの変化

 次に着目するのは、メロディの変化です。1番と異なるメロディを持つのは、

  • 「描いていたシナリオと現実のストーリー」
  • 「送れなかった本音(メッセージ)」
  • 「暮らしを奏でる」
  • 「忘れないこのときを」

の4箇所です。「送れなかった本音(メッセージ)」は、1番のときとは違い、その直後に間奏が入ります。「暮らしを奏でる」は2回目のサビのラストで、そこから3回目のサビを続けるために必要です。そのサビのラスト「忘れないこのときを」も、最後のクライマックス直前。つまり、この三つは直後に今までと違う展開が用意されており、きれいにバトンタッチできるように、①番と異なるメロディーを用意したとも考えられます。

 しかし2番のAメロで「描いていたシナリオと現実のストーリー」に続く、「「まぁ、これはこれ」悪くないさ」は1番と同じメロディーが用いられているため、たとえ1番と同じメロディーで歌ったとしても、違和感なく続けられるのです。したがって1番と2番のAメロは、わざわざ変化をつけていると考えられます。

 1番のメロディーと変化をつけるのは、聴く人を飽きさせないためだと思いますが、この印象的な部分の詩に「描いていたシナリオと現実のストーリー」という文が用いられた事に注目しながら『Chururi』を聴くと、新たな発見があるかもしれません。

 ここからは私の中で膨らんだ想像に過ぎませんが、主人公の描いていたシナリオと現実のストーリーには「君」が関わっているのではないかと考えました。バス停ではしゃいでる人達から、いつかの僕ら(「君」と「僕」)を思い出します。「悪くないさ」とは言えど、何気ないメッセージのやり取りを見返してしまうほどには、気にしているよう。”大切に想うほど大事なことが言えなくなって”しまって伝えられなかった本音を覗き込む「僕」。

 …そのときの主人公の胸中を、「描いていたシナリオと現実のストーリー」で想像してみるのはいかがでしょうか。

エレキギター(サウンド)

 この曲の伴奏で印象的なのはストリングスや鍵盤ですが、他にも様々な楽器が使われています。その中でも今回私が注目したいのは、敢えてのエレキギターです。エレキは大抵、曲の中で目立つポジションが多いイメージですが、『Chururi』では曲の中に、見事に溶け込んでいます。

 北川さんがインスタグラムに投稿したライナーノーツでは、『Chururi』に「サイケデリックやソウルの要素」も入っていると明かされました。

 軽快なストリングスによく馴染んだエレキが、とても心地よく感じられます。この曲では、①曲の始まりから「chururuchu~」とコーラスが入る前まで、②サビ直前、③2番のAメロ、④間奏後のサビ前などで、エレキがよく聞こえるはずです。ぜひChururiサウンドにもご注目あれ!

ゆずさんの15秒チャレンジ

最後に、『Chururi』の聞き方のヒントが得られる、以下の動画を紹介します。

Amazonmusicjpのインスタグラムアカウントに投稿された\#ゆずの15秒チャレンジ/です。

内容は、15秒で曲を紹介するというもの。時間制限で早口になる北川さんと、隣で身振りしだす岩沢さん…。

ぜひご覧下さい!

まとめ

『Chururi』の楽しみ方として、

  • 歌詞に使われる漢字
  • 1番と2番のAメロの変化
  • エレキギター(サウンド)。

の、3つのポイントを紹介しました。曲の聴き方は人それぞれですが、あなたの曲の楽しみ方リストの一つに、これらも加えてみてはいかがでしょうか。

 色々なことを想いながら、皆で『Chururi』を楽しみましょう!

ゆず『Chururi』MUSIC VIDEO

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